脳卒中の治療後における在宅療養

入院した医療機関で脳卒中の治療が進み、ある程度リハビリも進むと、その後は在宅療養となります。十分な医療サービスが在宅で受けられるのかを心配する人が多い一方、住み慣れた自宅に帰れることは何よりも安心できます。退院が決まったら、家族で協力して在宅療養ができるよ、環境を整えることから始めます。

2006年度から在宅療養支援診療所制度が設けられました。これにより自宅で定期的な診察や医療処置、健康指導などを受けることができます。支援を受けられるのは、入院が必要な急性期を脱し、症状が安定してるものの通院が困難な場合です。この支援は、脳卒中の患者のほか、認知症、パーキンソン病、高齢者の大腿骨の骨折などでも受けられるケースがあります。

脳卒中では、リハビリテーションの継続が重要です。しかし、自宅に帰ると患者さんはほっとしてリハビリを続けることを辞める傾向にあります。そんな時家族は叱りたくなりがちですが、それが逆効果になることもあるので難しいものです。叱咤し、厳しく忠告するよりも、患者さんがリハビリを継続するモチベーションが挙げられるような、フォローがもとめられます。一食に美味しいものを食べに出かけたり、散歩するのもよいでしょう。

患者さんの後遺症が重い場合や、もともと持病があって介護が必要な場合は、介護保険などの公的制度を積極的に利用しましょう。退院前に地域の福祉事務所や病院の医療ソーシャルワーカーに相談すると、手続きの仕方を教えてもらえます。


  


MRは自社の医薬品の営業部隊

製薬企業のMR(医薬品情報担当者)は以前、プロパー(プロパガンダ【宣伝】をするという意味)と呼ばれ、医療機関との値段交渉まで行っていました。しかし、自社製品を売り込むため、医師への高額の接待や景品の提供、不透明な寄付が横行し、さらに様々な御用聞き、した働きまでやるといった過剰な営業攻勢が問題になりました。

そこで事態を重く見た公正取引委員会は1991年、価格交渉は医薬品の卸会社にまかせ、医薬品の説明に専念するよう指導したのを受け、製薬業界は職種名を現在のMRに変更しました。医薬品の適性使用を主目的にする職種として再出発したのです。

とはいえ「営業部隊」であることには変わりはありません。多くのMRを持つことが製薬企業の営業力アップに直結するとされ、MRの数は増えています。医師への好感度調査では武田薬品のMRがトップノバルティスファーマ、中外製薬、グラクソ・スミスクラインと以下続いています。

製薬会社で作る「医療用医薬品製造販売業公正取引協議会」は、営業活動に自主規制のルールを定め、提供できるサンプル役の個数や、講演会で提供する物品の価格の上限まで定めています。


  


女性の憧れの職業:看護師

苛酷な労働環境がしばしば問題となりながらも、女性の憧れのお仕事としての看護師の人気はいまだ衰えません。毎年15万人が看護師養成機関を受験しています。最近は育児で忙しい方でも健診の看護師をしてたりしますね。

現在、国内には約700の看護師養成機関があり、うち国立法人が115、地方自治体の運営が185、日赤および済生会畝意が26、厚生連運営が35…などとなっています。入学定員総数は毎年5万人前後で推移しており、受け入れ人数は非常に大きいのですが、志願者が15万人を超えるため、競争率は3バイト狭き門となっています。

なお、看護師の業務が高度専門化するにつれ、4年制大学看護コース(看護学士)を卒業するものが急増しています。3年教育課程を卒業しても、看護し受験資格しかえられませんが、4年教育課程を修了していれば、看護師だけでなく保健師、助産師の受験資格も得られるため、看護学士を目指す傾向が年々強まっています。


  


インスリンの分泌がなくなる小児の糖尿病

糖尿病はともすると大人だけしかならないと思うかもしれませんが、子供にも起こります。糖尿病には、インスリンの分泌が殆どなくなる1型と、働きが悪くなる2型がありますが、1型は小児に多いため、小児糖尿病とも呼ばれています。

インスリンは膵臓にあるランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるホルモンの一種です。この細胞を自分自身で破壊してしまうため、インスリンの分泌能力が殆どなくなってしまいます。治療は、注射で補うのが基本で、その効果を高めるために、食事療法や運動療法を行います。

なお2型の糖尿病は、肥満や運動不足などにより、インスリンの働きが悪くなるために起こります。日本人は糖尿病の人口が潜在的な患者さんも含め、外国に比べて多く、治療をせずに放置したままにしておくと人工透析の必要があります。


  


ラミブジンとリバビリン(抗肝炎ウイルス薬)

抗HIV薬のラミブジンは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の逆転写酵素を阻害しますが、B型肝炎ウイルスの転写酵素DNAポリメラーゼも阻害して、ウイルスの増殖を抑制します。リバビリンは、C型肝炎のRNA依存型RNAポリメラーゼを阻害して、核酸の合成を妨げます。ただし、単剤では効果が弱いため、通常はインターフェロンとの併用で使用されます。

リバビリンは催奇形性があるので、妊婦には禁忌となっています。また、肝臓や腎臓の機能障害や自己免疫性肝炎の患者にも禁忌となっています。ラミブジンはST合剤との併用で、本剤の作用が上昇してしまいます。また、リバビリンは抗HIV薬のジドブジンとの併用で、併用薬の作用を減弱させます。肝炎をはじめ肝臓の病気の多くは症状が現われずに進行します。GOT GPTなどの検査で異常値を示した場合は、病院で精密検査を受けることをお勧めします。

冒頭の「逆転写酵素」とは、レトロウイルス科のウイルスが主に持っている酵素のことです。RNAの遺伝情報をDNAに移し変えることで、自身のRNAをDNAにして、宿主細胞内のDNAに組み込まれるようにします。生物界ではDNAがRNAに転写されることが普通ですが、レトロウイルスの場合はRNAがDNAに転写されることから、逆転写控訴と呼ばれます。


  


化学療法とは抗がん剤治療のことです

手術を行う外科療法をはじめ、放射線療法、化学療法の3つががんの基本的な治療法となります。そのうち化学療法は、薬剤を使ってがんの増殖を抑えたり、がんを破壊したりする治療方法のことをいいます。

いまやすっかり定着していると思われる化学療法ですが、いまだに化学療法=抗がん剤治療という理解は進んでおらず、国立国語研究所の調査では、「科学的な治療」と勘違いしている人が20%近くもいることがわかっています。これはがんの治療には、科学的な根拠の無い怪しげな民間療法も少なくないため、科学に基づいている療法というイメージが根強いから、と考えられています。

抗がん剤治療以外にも、がんを促進するホルモンの作用を抑えるホルモン療法、がん細胞の分子レベルの特徴をとらえ、それを標的にする分子標的治療剤などがありますが、いずれも医師がしっかりと方針を説明し、患者がそれを理解して、同意するインフォームド・コンセントに基づいて、治療方針を立てる大切です。


  


狭心症の疑いで心臓カテーテル検査

心臓カテーテル検査のカテーテルとは、やわらかい細い管のことです。血管に入れる管なので、直径1~2mmくらいのものを用います。カテーテルは通常、手首やひじ、足の付け根などの血管を刺し、そこから心臓まで挿入しいくので、胸を切り開く必要はありません。

このカテーテルに造影剤を流し込んで、冠動脈をX線撮影することで、血管が狭くなっていたり、詰まっている部分が何処なのかを把握します。また、この検査で心臓内の圧や血液の酸素濃度を測定することもできます。

検査からそのままカテーテルを用いて冠動脈を広げる治療に移ることもあります。この治療のことをPTCA(経皮的冠動脈形成術)といいます。

心臓カテーテル検査には合併症のリスクがあります。合併症による死亡率は0.02%程度とされていますが、PTCAでの死亡率は心臓カテーテル検査の約10倍となります。治療に移行する可能制覇がある場合には、医師からリスクの説明を受けるようにしましょう。